「過労死白書」初の閣議決定
厚生労働省は、2014年11月施行の「過労死等防止対策推進法」に基づく「過労死等防止対策白書(16年版)」をまとめ、7日政府が、初めて閣議決定した。

同省によると、過労死をテーマにした同様の報告書は世界でも例がなく、長時間労働の実態や対策を紹介することで、過労死防止に向けた取り組みを加速させたい考えだ。
1カ月間の残業時間が、労災認定の目安で「過労死ライン」とされる80時間を超えた正社員がいる企業は22.7%にも上ると指摘。
さらに、正社員の4割近くが、高いストレスを抱えながら働いている実態も浮き彫りとなり、職場環境の改善や働き方の見直しなどを訴えている。
正社員が「過労死ライン」を超える残業をしている企業の割合を業種別にみていくと、最も高かったのは情報通信業の44.4%。
研究、専門的な技術サービスを提供する企業が40.5%、運輸・郵便業が38.4%と続いた。
厚生労働省は「人員不足や、予定外の仕事が突発的に発生することなどが影響している」とみている。
また、過労死等防止対策推進法について「大まかな内容を知っていた」とする企業は38.1%にとどまった。
一方で、労働者調査では正社員の36.9%が高ストレスを抱えていること、その業種としては、医療・福祉(41.6%)やサービス業(39.8%)の割合が高いことも分かった。
白書では過労死について「労働時間や職場環境だけでなく、業界を取り巻く環境や労働者側の状況など多岐にわたる要因の分析が必要」と指摘。
厚労省は約2万人を10年間追跡する大規模調査を準備中で、過労死の実態解明をさらに進める。