子供は脱水症状になりやすい!
2016/10/09
嘔吐や下痢をした時、発熱時などに小児科を受診して『水分は摂れていますか?』と聞かれた事があると思います。
必ずと言っていいほど聞かれる水分補給の有無ですが、一体何を心配しているのでしょうか?
また、どのような状態になったら治療が必要なのでしょうか?
ここでは、医師が発熱時などに何を見て、何を心配しているのか詳しく見ていきたいと思います。
子供は脱水症状を起こしやすい
子供は小さければ小さいほど体の中の水分の割合が多く、70~80%を占めています。
大人の水分割合は60%程度で、その水分バランスも子供と大人では違います。
人の体は細胞から出来ており、水分は細胞内・細胞外にもあります。
細胞の中の水分は、ほとんど変化しないのに対して、細胞の外の水分は大きく変化し、大人は体内の60%を占める水分のバランスが細胞内40%、細胞外20%、子供は80%の水分のうち、細胞内35%、細胞外45%となっており、水分が占める量が明らかに多く、変化しやすいのです。
つまり、大人とは水分量の違い、水分バランスの違いがあり、子供は特に脱水に陥りやすいのです。
脱水になったら?
脱水の症状は様々です。
程度にもよりますが
・のどの渇き
・食欲低下
・倦怠感
・頭痛
・嘔気
・嘔吐
・けいれん
などがあります。
脱水が進行してしまった場合は、臓器の障害を起こすこともあるので注意が必要です。
このような症状は、単に体の水分が失われるだけでなく、一緒にミネラルも失われなり、血液の流れが悪くなったりすることで起こります。
ミネラルとは、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどの体内では作ることのできない元素のことです。
重い脱水になった場合は、医療機関を受診し、水分やミネラルを補うための適切な治療が必要となります。
軽い脱水のうちに対処する事が大切となります。
脱水のサイン
まず注意するべき事は、子供は脱水になりやすいという認識です。
熱が出たとき、嘔吐・下痢のとき、暑い日に外で遊んだときなど、脱水症状になるかもしれないと日頃から気を付けている事が大切です。
脱水状態を判断するサイン
・いつもより、おしっこの回数が少なくないか
・泣いた時に涙が出ているか
・唇や口の中が乾燥していないか
・お腹の皮膚にハリがなく、しわになっているか
・手足が冷たくないか
脱水になると、尿量が少なくなる、涙が出なくなる、唇や口・舌が乾燥するなどの症状が見られます。
また、皮膚の乾燥も見られ、手足は冷たくなります。
この他、
・普段の体重と比べて減っていないか(※1)どうか
・指の爪を5秒程度押してから爪の色が元に戻るまでに2秒以上かかるか(※2)
などで調べる方法もあります。
※1)年齢にもよりますが、体重が普段の3~5%以上減少している場合には中等度以上の脱水がある可能性があります。
※2)2秒以上かかる場合には脱水になっている可能性があります。
子供は大人と違って、体内の水分量が多く、脱水になりやすいです。
特に小さなお子さんは、大人が気を付けてあげなければ、喉が乾いていることも忘れて遊びに夢中になってしまう事も少なくありません。
子供は、脱水になりやすいという事、なりやすい状況を理解して、もしなったとしても、軽い症状のまま治すことが重要となります。
日頃から、お子さんの様子に気を配ってあげる事が大切です^ - ^